イチョウの葉

中国原産の落葉高木,高さは20 - 30m。葉は扇形で葉脈が付け根から先端まで伸びている。また、葉の中央部が浅く割れている。雌雄異株であるため、雄株と雌株があり、実は雌株にのみになる。樹齢1000年以上とされる長寿であり、成長すると巨木になる。
イチョウ葉には、ケルセチンやルチン、カテキンなどの30種類以上のフラボノイドや『 ギンコライド 』 などの有効成分が主に含まれています。
『 ギンコライド 』 は、他の植物には存在せず、イチョウ葉だけに含有されています。『 ギンコライド 』 には、血管を広げ、血液の流れをよくし、血小板が固まるのを防ぎ、血栓をできにくくする効果や毛細血管の保護や強化をする。
イチョウ葉に含まれるフラボノイドは、強い抗酸化力で、老化の原因となる活性酸素を除去する効果がある。
有効成分が相乗効果を発揮し、脳細胞などが死滅するのを防ぎ、脳内の血流が悪くなっておこるといわれるイチョウ葉エキスは、欧米などでは認知症や血流改善などの医薬品として扱われています。イチョウ葉とは、カテキンなどの30種類以上のフラボノイドや ギンコライド が含まれるメディカルハーブティーです。

●科名・属名: いちょう科 イチョウ属 落葉高木
●学   名: ギンクゴ ビロバ
●和   名: 〔銀杏〕〔公孫樹〕〔銀杏〕
●生 薬 名: 鴨脚〔ヤーチャオ〕、銀杏、白果〔ハクカ〕イチョウの実
●ハ ー ブ名:ギンコウ〔Ginkgo〕メイデンヘアツリー〔Maidenhair tree〕

●主な産地:中国、朝鮮半島、日本に分布
採取・製法 葉を7~9月に採取し乾燥。
部位・形状 葉、短冊刻み。
種子(果肉はかぶれるので注意が必要)

●成分
ギンコライド、ギンコフラボノイド類のケルセチン、ケンフェロール、プロアントシアニジン、
ルチン、イソラムネチン、ピロパライド、クエルシトリン、ビオフラボン、シトステロール、
カテキン、、ラクトン、テポニン、アントシアニン、シリマリン、テルペン
・ギンコライド(血管拡張作用、血栓溶解作用)
・フラボノイド(活性酸素の抑制、排出、無毒化、血液の粘度を下げる作用)
・ケンフェロール(活性酸素の無毒化)
・ジテルペノイド
・ルチン(毛細血管を強化)
・クエルシトリン(血圧降下作用)
・シリマリン(肝機能の向上)
・テルペンラクトン

●効果・効能・予防
・動脈硬化・・・血液が浄化されサラサラになる。
・心筋梗塞の予防
・脳梗塞の予防
・高血圧の予防
・咳止め
・ぜんそく
・アトピー性皮膚炎の予防(アレルギー増悪因子となる血小板の活性化を抑制する働きがある)
・血圧安定・・・クエルシトリンの作用
・コレステロール値低下
・血液サラサラ効果
・認知症の予防(ボケ予防、痴呆症予防)
・ガンの予防・・・フラボノイド作用で活性酸素抑制
・更年期障害
・認知症の改善(記憶の改善)
・老化防止
・加齢臭対策(抗酸化作用)
・頭痛
・口内炎
・シミ対策
・にきび対策
認知症の予防や改善。
血流の改善により、冷え症 や 肩こり、耳鳴りなどの症状にも効果がある。
作   用 血管拡張、循環器改善、血液浄化、毛細血管強化、活性酸素除去、血圧降下、血小板活性因子抑制、ギンコライド(アレルギー抑制、PAF(血小板活性因子)抑制)、ギンコフラボノイド類(活性酸素の不活性化)
適 応 :めまい、耳鳴り、頭痛、記憶力減退、脳機能障害〔認知症、事故等の障害〕、脳軟化症、血管性痴呆症、老人性痴呆症、非持続性の記憶障害、アルツハイマー病、赤痢、フィラリア頚椎損傷、末梢動脈の血行障害、老化による聴力障害、アレルギー、喘息、腎炎、老化防止、動脈硬化、高血圧、細胞活性、心臓疾患、血栓症、狭心症、高コレステロール血症
加齢黄班変性症、糖尿病性網膜症、平衡感覚障害、高山病、
【種子】夜尿症、咳止め、喘息、気管支炎、
【外用】煎じた葉を凍傷、黒焼きにしてイボ取り、葉の浸出液をしもやけに外用する

●美味しい飲み方
イチョウ葉の飲み方は、大さじ2杯約5gを、1㍑の水に入れて沸騰後弱火で5分煮出す。
急須の場合は、イチョウ小サジ1杯を入れ熱湯を注ぐ。
イチョウ粉末は、添付の小サジ2杯約3gを1日3回。お湯に溶かして飲む。

ブレンド   1カップの分量  単位・・・小サジ〔ティースプーン〕
 血のめぐり、血液サラサラ :イチョウ葉1/2+リンデン1/2+山査子1/2
 血のめぐり、ボケ防止 :イチョウ葉1/2+田七1/3+1/2+杜仲茶1/2
銀杏〔イチョウ〕約5g〔大さじ2杯〕を1㍑の水に入れて沸騰後弱火で5分煮出す。急須の場合は、銀杏〔イチョウ〕小サジ1杯を入れ熱湯を注ぐ。

●味・風味
香   り 葉は、少し枯草の香りがある。
味   覚 若干苦い味。

●使用上の注意・安全性
クラス:2 植物含有成分の使用に関する資格がある専門家〔医療従事者〕による特別な指示がない限り、以下の使用制限が適用される。

2d 注釈にあるような他の特定の使用制限がある
◆イチョウ葉製剤は一般に副作用が報告されていない。
 イチョウ葉は薬用のモノアミノオキシダーゼ〔MAO〕阻害薬に影響を与える可能性がある
◆妊娠中、授乳中の安全性については充分なデータがないので、使用をさけること。
◆イチョウ葉製剤は適切に用いれば経口摂取でおそらく安全と思われるが、副作用としては
ごくまれに胃や腸の不快感、頭痛、めまい、動悸、便秘、皮膚アレルギー反応などが起こる
◆生の葉は重篤なアレルギーを起こすことがあるので摂取しないこと。
◆外用剤の安全性については充分なデータがない。
◆生の種子の摂取は腹痛、吐き気、下痢、呼吸困難、徐脈、発作、意識消失、ショックが知られており、小児では死に至ることもある。
◆果肉は少量でも重篤な症状(口の周りが赤くなる、直腸の炎症、肛門括約筋の痙攣)を起こすことがある。
◆抗血小板薬・抗血液凝固薬、ワルファリン服用中の人は出血傾向になるため注意が必要である。
◆ウルシ科の植物(マンゴー、カシューナッツも含む)にアレルギーのある人は、
 ギンナンに対してもアレルギーである可能性が高い。

イチョウ葉とは、ギンコール酸の副作用や医薬品との併用に注意が必要なハーブティーです
抗凝固剤〔ワーファリンなど〕を使用中の方は効果を増強するので使用しない
過剰摂取は、皮膚炎、頭痛、下痢、嘔吐を起こす事がある
サプリメント
併用可 マグネシュウム〔正常血圧を維持する上で必須の微量元素〕
  併用は、高血圧における降圧、特に動脈硬化症による高血圧に有用
薬   剤
併用推奨 塩酸フロオキセチン、パロキセチン、セルトラリン〔選択的セレトニン再取り込み阻害剤=鬱病、強迫性障害、食欲以上亢進、食欲不振症、社会恐怖症、などに用いる〕フロオキセチンの副作用は男女を問わず性機能不全である。併用すると副作用を軽減する

薬   剤
併用不可 アスピリン〔解熱鎮痛剤、非ステロイド性抗炎症剤=解熱、鎮痛、抗炎症や心臓疾患や脳梗塞の危険を低下させる〕
  併用すると消化管出血の危険は増大する
クロニジン〔抗高血圧薬=主に血圧降下に使用。時にはアルコールやニコチン依存症も離脱目的で使用される〕
  併用すると相互作用により血圧が低下し過ぎる危険がある
ヒドラジン〔降圧薬=血圧降下を目的に処方。またうっ血性心疾患にも使用する〕
  併用により血圧が低下しすぎる危険がある
シクロホスファミド〔抗ガン剤=種々のガンに対する化学療法に使用する〕
  併用によりハーブの抗酸化作用でシクロホスファミドの効果を減弱させる
フェパリン〔抗血液凝固薬=強力な抗血液凝固剤で、血栓症の治療と予防に静脈注射される〕 
併用すると出血の危険が増大する。
チクロピジン〔抗血栓薬=血栓形成を阻止し脳梗塞の危険を低下。下肢血行不良、鎌状赤血球性貧血に使用〕
  併用すると出血の危険性が増大する
ワーファリン〔抗血栓薬=血栓の治療や脳梗塞の防止を目的に用いる〕
  併用すると抗血液凝固作用が増強されて出血の危険性が増大する

花言葉 【鎮魂】 【長寿】 【しとやか】 【詩的な愛】 【荘厳】・・・・イチョウの花言葉
【銀杏】 〔いちょう〕
   杏〔あんず〕に実の形がにていて銀色をしていることから
  【公孫樹】 〔こうそんじゅ〕
   植樹して実がたべられる様になるのは孫の代になるから

イチョウの栽培と収穫

◆性質強健で病害虫の心配はほとんどありません。日当たりのよい場所を好みます。
 1~2年に1回、冬に肥料を与えて刈り込みは基本的に冬に行います
◆耐火性があり比較的燃えにくい樹なので、防火樹として生け垣に利用されることもあります。
 神社仏閣にイチョウが多いのは、火災から建物を守る意味も有るようです。
◆雄株と雌株があり、雌株は果実を付け秋に熟します。雌株は果実を付け秋に熟します。
 熟した果実の外側の皮は多肉質で悪臭があり、俗にギンナンと呼ばれる種子は乳白色で硬く、
 殻といった感じです。

イチョウの歴史
◆約5000年前中国で薬草医学が発祥、『神農本草経』の365の薬物に、イチョウの葉と実を煎じた
 吸入薬が喘息と気管支炎の治療に使用されたと記載。
◆約1000年前ごろ中国大陸からイチョウ葉が日本に持ち込まれる
◆日本の文献で「銀杏」の字が記載されたのは1370年頃成立した「異制庭訓往来」が最初といわれる。
◆1960年ドイツ・シュワーベ製薬がイチョウ葉エキスの開発に着手。
  1966年に脳機能不全および末梢神経不全などの治療薬として「テボニン」を開発した。
◆1988年米国でイチョウ葉エキスの健康食品が市場に登場
◆1990年イチョウ葉の薬理成分ギンコライドを化学合成した業績で米国人コーレー氏が
  ノーベル化学賞を受賞。
◆1994年ドイツでイチョウ葉エキス〔EGb761〕が痴呆症の治療薬として承認取得
 *EGb761は、ドイツDr.W.シュワーベ製薬が開発したイチョウ葉エキスの商標です。