カモミール

ジャーマンカモミールは多くの品種がありますが、なかでもお茶に使用されるもので良く用いられているのが、1年草のジャーマン種と多年草のローマン種で、この2種は薬効も用途も似ています。
ジャーマン種は花にりんごのような甘くフルーティーな香りがあり、ローマン種は花と葉にりんごのような香りがありますが、全草が苦味のある香りがあるのでシャープな印象の香りがします。カモミール茶は生の花、乾燥した花の両方利用でき、ジャーマンカモミールは濃い目に浸出した方が美味しくいただけます。鎮静作用と消化促進作用に優れており、古くから食べすぎ・腹痛・風邪のような症状に民間薬として使われてきました。
リラックス作用もあり、不眠症や神経性の便秘を改善します。また、ホルモンのバランスも整えるので冷え性や・生理不順・貧血の改善に役立ちます。
浸出したカモミール茶を湿布に使用すると、傷や湿疹・やけどなどの回復が早いです。ただし、薬効成分アズレンは炎症を抑えますが、乾燥させた花を浸出させたものにしか含まれていません。疲労回復には、浸出液をお風呂に入れると肌がなめらかになりおすすめです。目の疲れには、アイパックが良く使用後の冷めたティーバッグをまぶたの上にのせてみるといいでしょう
ジャーマンカモミールは、ハーブティーとして広く使われている。

●学名:Matricaria recutita マトリカリア レクティタ
●英名:
●和名:かもみーるじゃーまん〔ジャーマンカモミール〕加密列 〔かみつれ〕
●生薬名:母菊〔ハハギク〕・中国、欧薬菊〔オウヤクギク〕・中国、
     西洋甘菊〔セイヨウカンギク〕・・・中国
●科名:きく科 シカギク属 一年草

●原産地:ヨーロッパから西アジアに分布
●主な産地:ヨーロッパから西アジアに分布
●採取・製法 : 花が全開になったら採取し乾燥
●部位・形状 :花、原体
●栽培と収穫:ジャーマンカモミールは一年草で3月下旬~と9月下旬~が種まきのシーズンといわれる。秋まきの方が一般的に丈夫な苗に育つようである。本葉が12枚ぐらいになったら定植をする。株間が狭く風通しが悪くなるとアブラムシが発生しやすくなるため株間は30㎝程度開けた方がよい

●成分
アズレン〔azulene〕、ビサボロール(bisabolol)]、カマアズレン(chamazulene)、ファルネセン
フラボノイド〔ルチン、クエルシメトリン〕、クマリン〔coumarin〕、サリチル酸塩、シアン配糖体、コリン、タンニン、アピゲニン〔筋弛緩作用〕、吉草酸、脂肪酸、青酸配糖体、多糖類、コリン、アミノ酸、タンニン

●作用・効能
お茶の効能:健胃作用、消化促進作用、鎮静作用、消炎作用、風邪・便秘を改善
作   用: 抗炎症、抗痙、鎮静、発汗、制吐、保温、治癒促進、免疫機能向上
適   応 :過敏性腸症候群、生理前症候群、不眠、風邪、ストレス、乗り物酔い、インフルエ        ンザ及びそれに伴う悪寒や頭痛、冷え性

●使用方法
1カップに小サジ1杯を入れ熱湯を注ぐ、香りを嗅ぎながら飲む
ブ レ ン ド〔単位小サジ〕
生理痛・・・カ・ジャーマン1/2+ペパーミント1/3+ヤロー1/4+ローズマリー1/4
精神安定・カ・ジャーマン1/2+ペパーミント1/3+リンデン1/3+レモンバーベナ1/3
冷え性・・・カ・ジャーマン1+ローズ1+クローブ5粒
ニキビ ・・・カ・ジャーマン1+ローズマリー2+ペパーミント1
アトピー・・カ・ジャーマン1/2+ネトル1/2+ローズヒップ1/3

●風味
香   り: ジャーマンは甘い青リンゴの香り、ローマンはくセのある香り
味   覚 :ジャーマンはさっぱりした味、ローマンは少し苦味がある

●使用上の注意・安全性
子宮収縮作用があるので、妊娠中は使用量を守る、精油は絶対に使用しない
       庭などでカモミールに触れると接触性皮膚炎をおこす事がある
ハーブティー、健康茶、漢方、併用不可
コーラノキー  カフェインが鎮静作用と拮抗する。
麻黄〔マオウ〕・・・強力な強壮、刺激作用を示し、鎮静作用と拮抗する。
マテー  カフェインが鎮静作用と拮抗する。
ガラナー  カフェインが鎮静作用と拮抗する。
サプリメント併用推奨
カルシュウム〔骨、筋肉を増強し神経系を健全に保ち、不眠症やイライラを解消〕
  併用するとストレスの解消や不眠症の緩和に効果がある
薬   剤併用不可
ブプロピオン、ネファゾドン〔抗鬱薬、禁煙薬〕  併用すると傾眠症状が強くなりすぎる
ドキセピン、イミプラミン〔三環系抗鬱薬〕  併用すると傾眠症状が強くなりすぎる
塩酸フロオキセチン、フルボキサミン、パロキセチン、セルトラリン
  併用すると傾眠症状が強くなりすぎる
ブスピロン〔抗不安剤〕  併用すると傾眠症状が強くなりすぎる
ジアゼパム〔抗不安剤〕  併用すると傾眠症状が強くなりすぎる
ハロペリドール〔抗精神病薬〕  併用により傾眠症状が強くなりすぎる
セチリジン、フェキソフェナジン、ジフェンヒドラミン〔抗ヒスタミン薬〕
   併用により傾眠症状が強くなりすぎる
クロルフェニラミン、クレマスチン、ドキシラミン、ロラタジン〔抗ヒスタミン剤〕
   併用により傾眠症状が強くなりすぎる
ジメンヒドリネート、プロメタジン〔抗ヒスタミン薬、制吐薬〕
  併用により傾眠症状が強くなりすぎる
デキストロメトルファン〔鎮咳剤〕  併用すると傾眠症状が強くなりすぎる
ジスルフィラム〔嫌酒薬〕 〔飲酒習慣からの離脱を目的に処方〕
  併用すると傾眠症状が強くなりすぎる
メチルドーパ〔抗高血圧薬〕  併用すると傾眠症状が強くなりすぎる
塩酸メチルフェニデート〔中枢神経刺激〕
  併用するとメチルフェニデートの鎮静作用を増強する可能性がある
亜酸化窒素〔麻酔ガス〕
  併用すると過剰な鎮静作用が発現するので亜酸化窒素使用の可能性がある場合は前   後48時間は使用禁止
オキシコドン、プロポキシフェン〔麻薬性鎮痛薬〕  併用すると過剰な鎮静作用が出現する
ゾルピデム〔鎮静剤、催眠剤〕  併用すると傾眠症状が強くなりすぎる

●その他
ジャーマンカモミールは、4千年以上前のバビロニアですでに薬草として用いられていたと言われ、ヨーロッパで最も歴史のある民間薬とされている。

●参考文献
・ハーブ検定テキスト
・家庭の中医学
・緑の薬局
・健康茶情報
・ハーブテイー薬草データベース
・薬膳情報net
・ハーブの香り
・サプリメントラボ