キウイフルーツ

キウイフルーツは黄色い果肉のゴールデンキウイや、ひと口サイズのベビーキウイなど品種があります。原産は中国の南部で「チャイニーズ・グ-ズベリー」ともいいます。中国ではかなり昔から存在していましたが、栽培はほとんど行われていなかった。1904年に中国を訪れた女性旅行者によってキウイの種がニュージーランドに持ち込まれ、農夫達により品種改良されて現在のキウイの原種が誕生しました。 その後50年ほどでニュージーランドのキウイは生産量が安定し、輸出されるまでになりました。その際、外国にアピールするため「チャイニーズ・グ-ズベリー」を改め「キウイフルーツ」と命名。名前の由来はニュージーランドの国鳥「キウイバード」から来ています。日本に登場したのは1960年代で、日本でも比較的栽培しやすいことから国内でも生産されるようになりました。

●原産地:中国の南部
●主な産地:ニュージーランド

●成分
アクチニジン
主な栄養成分(可食部100g中)
ビタミンC(69mg)、カリウム(290mg)、食物繊維総量(2.5g)

●効能・作用
効能
風邪予防、高血圧予防、動脈硬化予防、脳梗塞予防、心筋梗塞予防、がん予防、便秘改善、美容効果

●キウイフルーツはビタミンCが多いので風邪予防に効果的です。カリウムも多く含んでいるので高血圧や動脈硬化、糖尿病の予防効果。がんの要因となる変異原生を抑える効果もあり、がん予防にも期待されています。食物繊維量も多く含むので便秘改善にも有効。豊富に含まれるビタミンCとの相乗効果で美容効果もあります。キウイフルーツに含まれている「アクチニジン」は、肉をやわらかくするタンパク質分解酵素で、消化を促進する効果があります。
●キウイフルーツは栄養素の宝庫といえる果物です。ビタミンCは69mg/100gと豊富で、1日の所要量は100mgとされているので、1~2個で十分な量が摂取できます。さらに、ビタミンEを1.3mg/100g含み、200g摂取すると1日の所要量の26~33%も満たすことができます。キウイフルーツは、心臓病の予防に関係する葉酸を(36μg/100g)多く含んでいます。そのため、キウイフルーツは、たばこを吸う人、酒を飲む方、妊婦、肌の健康が気になる人などに最適な果物です。

●キウイフルーツは、カリウム(290mg/100g)の供給源としても優れた食品です。カリウムを多く摂取すると血圧が下がり、心臓発作になる危険性が低下します。カリウムは、カルシウムの尿への排出を抑制します。閉経前の女性の骨の密度を調査した結果、カルシウムの摂取量が多い人の骨密度が高いことが分かりました 。 心臓、筋肉、神経、骨にとって重要なマグネシウムも多く含まれています(32mg/100g)。マグネシウムが不足すると虚血性心疾患、高血圧、骨粗鬆症などのリスクが増えます。

●食物繊維も多く(2.5g/100g)含まれており、普段の食事と一緒にキウイフルーツを2個食べるだけで所要量を満たすことができます。水溶性食物繊維(0.7g/100g)は、血糖値やコレステロールを下げる働きがあり、不溶性食物繊維(1.8g/100g)は、吸水力が強いので便のかさが増えるため排便回数が増加して便秘が解消されます。

●有機酸としてクエン酸、リンゴ酸などが含まれ、レモンやライムなどに次いで有機酸が多く疲労回復に役立ちます。中国では、サッカーや陸上競技など暑い環境でのスポーツトレーニングにキウイベースのスポーツドリンクが有効 。

●キウイフルーツに非常に強い抗変異原性(発ガンの原因となる細胞の突然変異を誘発する発ガン物質の生成や作用を抑える機能)が認められました 。 抗変異原性を有するカンゾウ、ニンジン、ブロッコリー、タマネギ、ニンニクなどと比較すると、キウイフルーツは甘草の次に抗変異原性が高いことが明らかになりました。キウイフルーツの強い抗変異原性は、ガンの予防に役立つと考えられます。

●生体内で血小板は、出血を止め、血管損傷の修復等に重要な役割を果たしています。しかし、血小板の凝固作用は、血栓症、それによる脳梗塞や心筋梗塞などの各種の疾患や症状を引き起こす原因ともなっています。健康なヒトに1日2個ないし3個のキウイフルーツを28日間摂取させた実験では、血小板の凝固作用が有意に低下したことが報告されています。また、コレステロールのレベルには変化は認められなかったものの、中性脂肪が約15%低下したという結果が得られています。キウイフルーツの摂取が心臓血管障害の予防に効果を持つことが示唆されています 。

●キウイフルーツが心臓血管を保護する作用を期待できることが報告されています。これは、キウイフルーツの抽出物が比較的高い抗酸化作用を示すこと、HMG-CoA還元酵素の活性を阻害することから、コレステロールの低下が期待できることなどからです。

●その他
キウイの見分け方
きれいな楕円形で、果皮にまんべんなく産毛が付いているものが良品です。果皮の色は、濃すぎるものよりも明るい薄茶色のものが良く、軽く握ったときにやわらかさを感じれば食べ頃です。果皮に傷があるものやへこみのあるものは味が落ちている。

キウイの保存方法
かたくて未熟なキウイは常温で追熟させる必要があります。乾燥を防ぐためビニール袋で包み(密封はしません)、20度前後の部屋に置いておきます。りんごと一緒に袋に入れると早くやわらかくなります。指で軽く押して弾力を感じれば食べ頃。熟したキウイは冷蔵庫で2~3時間冷やすとよりおいしく食べられます。 完熟のキウイは果肉がエメラルドグリーンをしていますが、食べ頃を過ぎると果肉が変色するので注意してください。

●参考文献
・ハーブ検定テキスト
・家庭の中医学
・緑の薬局
・健康茶情報
・ハーブテイー薬草データベース
・薬膳情報net
・ハーブの香り
・サプリメントラボ